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2014年 03月 17日
3/14(金)18:30 上野・東京文化会館 キトリ:マチルド・フルステー バジル:マチアス・エイマン エスパーダ:ヴァンサン・シャイエ 街の踊り子:サブリナ・マレム パリ・オペラ座バレエ団2014年日本公演の1作目はヌレエフ版『ドン・キホーテ』だ。 4年前の『ジゼル』ではエトワール3人はさすがだったが、それを掻き消すほどのコールドバレエのやる気のない踊りに、それがたまたまだったかもしれないにしろ、がっかりというか、裏切られた印象が強く残った。 今回はキトリ役のミリアム・ウルド・ブラームが怪我によりリュドミラ・パリエロに変更、そのパリエロも怪我し、パリオペを休職してサンフランシスコ・バレエのプリンシパルとして踊るマチルド・フルステーを急遽呼び寄せ実現したプログラムだ。 しかも複雑なパの連続でコケる人続出のヌレエフ版(2006年ヌレエフ版『白鳥の湖(アニエス/ニコラ)』はいまでも目に焼き付いている。忘れられない舞台。)。期待と不安が入り混じる。 いや~、いい舞台でした。 パリオペはこうでなくちゃ! 若手がちゃんとちゃんと育っている(←エラそう)。4年前のあれは一体なんだったのだろう・・・ 賑やかでテンポの良い第1幕は、主役の二人をはじめとして、エスパーダ&闘牛士たち、街の踊り子、キトリの友達二人、キャラクテール、コールドバレエの一人一人まで、皆でいい舞台をつくりあげようという意気込みや熱気に溢れていて、感動した。 第2・第3幕も複雑で細かいパをこなしすごいなぁと感心したが、わかりにくいすごさのせいなのか、演出のせいなのか、華やかさに欠けるのが残念だった。しかし、若い才能同士が日々切磋琢磨している様子が伝わってくるとてもいい舞台だった。 昨年の夏に「ディアナ・ヴィシニョーワ華麗なる世界(Aプロ)」でみたマチアス・エイマンの身体能力が高さと、すごいことしているのに全然そんなふうに見えないケレンみのなさに注目し、ぜひ全幕で見たいと思った。 長身&細長い手足を持てあますことなく丁寧でキレイな踊り、高いジャンプの着地も無音、相変わらず欲のないゆったりとしたバジルであった。ほんと、欲がでたらすごいダンサーになりそう。ロシアのワッシー君のケレンみを少しわけてあげたい。 マチルド・フルステーは始めは少し雑なところも見られたが、徐々に調子をあげていい感じに。バランスも長く、キビキビとした気丈なキトリでとても頑張っていた。フルステーは8年前の白鳥でパ・ド・トロワを踊っていたんだよなぁ、大人になったなぁ、などとおばちゃん気分に浸る。 そして、気になる若手ダンサーを発見。キトリの友達のうち上手側にいたロレーヌ・レヴィ(たぶん)はバンビみたいな細くてちっちゃい顔も、ピケアラベスクの瞬間やポールドブラの柔らかさなど彼女の持つバレエクオリティもとても好みで、今後に注目したい。 ロシアバレエの土着感満点ハイスピードお祭りドンキに慣れている者としては、衣装の色や場面設定や3幕のゆったりとしたテンポが上品で洗練されすぎていて、ちょっと物足りない気がしなくもなかったが、それこそがエレガンスの国のバレエなのだろう。 若手ダンサーたちの頑張りに胸を熱くさせる、パリ・オペラ座バレエのこれからを期待させるいい舞台だった。 ***余談1*** プログラムp13のキューピッド、p19のブライズメイドの一人はどうみてもミテキ・クドーだと思うのですが。いや、ミテキちゃんの写真を見られてうれしいけれど、もっと新しい写真はなかったのか、とも思う。 ***余談2*** さて、ドン・キホーテといえば、私的ドンキ・オブ・ドンキ、ドンキの中で一番見応えあり、と思っているボリショイバレエ『ドン・キホーテ』がこの冬に来る。 海外カンパニーの公演を初めて鑑賞したいという方には、超絶技巧も、白いバレエも、にぎやかな街の踊りも、キャラクターの楽しいマイムもテンコ盛り、大人から子供まで楽しめるボリショイバレエのドンキをおすすめしている。 東京文化会館 『ドン・キホーテ』 12月6日(土)12:30 12月6日(土)18:30 12月7日(日)14:00 東京以外でのボリショイバレエ公演 11月19日(水) 栃木県総合文化センター ≪白鳥の湖≫ 11月22日(土) 愛知県芸術劇場大ホール ≪ドン・キホーテ≫ 11月23日(日) びわ湖ホール大ホール ≪ドン・キホーテ≫ 11月27日(木) オーバード・ホール ≪白鳥の湖≫ 11月28日(金) フェスティバルホール ≪白鳥の湖≫ 11月29日(土) フェスティバルホール ≪ドン・キホーテ≫ 11月30日(日) アクトシティ浜松大ホール ≪白鳥の湖≫ #
by mucco
| 2014-03-17 14:00
| バレエ
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