ロジェ・ヴィヴィエ

大好きな映画　『昼顔』
奇才ルイス・ブニュエルが作り出すインモラルな現実と妄想が
入り混じった耽美的な映像も衝撃的でしたが、
ガラス細工のように冷たく繊細で美しいカトリーヌ・ドヌーブと、
全編を通して彼女の美しさを際立たせるイヴ・サンローランのコスチュームに
すっかり心を奪われてしまいました。

完璧なまでの美しさ…

以来、身に付けるものを選ぶときの基準としてこの映画があります。
えぇ、この際自分の造形は完全に無視して、好み優先。

そしてピカピカに磨きあげられたロジェ・ヴィヴィエ（Roger Vivier)の靴。
こればかりはどこを探してもなく、似ているものもなく、だからこそ憧れは募るばかり。

ところが、とてもお洒落な友達が、ブルーノ・フリゾーニをディレクターに迎え華麗に復活したロジェ・ヴィヴィエを海外で見つけました。（彼女は今では日本有数のヴィヴィエホルダーではないでしょうか。）「muccoの分も買ってきましょうか？」というお言葉に甘えてお願いしました。

記念すべきマイ・ファースト・ヴィヴィエはいかにもロジェ・ヴィヴィエな黒エナメル・ラウンドトゥ・シルバーバックルのフラットシューズ。



そのうえ、ロジェ・ヴィヴィエのエナメルは厚くて丈夫で傷がつきにくいのです。
最初は少し固めですが、履き始めて4回目くらいからいい感じに馴染んできました。
トレンドや時代を超越した名作なので、むしろお値打ちだと思います。

『昼顔』のセブリーヌはお手伝いさんが磨いたピカピカのヴィヴィエを履いていましたが、
残念ながら我が家にはお手伝いさんはいませんので、
自分でピカピカにお手入れしています。


―後日談―

このラウンドトゥフラットは少し木型が大きかったので、友人に譲りました。
コンサバな私とは違うシンプルシックな着こなしで活用してもらっています。
かわりに新調した4.5ｃｍヒールのスクエアカットはこちらとこちら。
ラウンドトゥにハイヒールのボルドーカラーのベル・ド・ニュイも仲間入り。
そしてこんなおまけも。