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2016年 07月 31日
![]() 2016年7月26・27日 上野・東京文化会館 ジャパンアーツ40周年を記念して開催されたオールスター・バレエ・ガラA・B両プロを鑑賞した。 まず昨年11月ごろ、ガラの開催とニーナ・アナニアシヴィリ/アレッサンドラ・フェリ/スヴェトラーナ・ザハーロワの参加が発表された。ザハーロワは見たいが、彼女のためだけに¥25,000越えのチケットはちょっと・・・と躊躇していたら、12月にウリヤーナ・ロパートキナの参加が決まり、即チケットを取る。 発表当初から決まっていたダンサー優先の演目になるだろう、と思っていたがやはりその通り。ロパートキナは当代一とも世界遺産級とも呼び名の高い十八番「瀕死の白鳥」を大先輩へ譲り、踊りへのさらなる高みを目指している今の姿を披露してくれた。 そして、先月のトランス=シべリア芸術祭で絶好調だったザハーロワが、今回も本当に素晴らしかった。会場に貼られていたポスターには「今が旬」とあったが、あっという間に終わってしまう旬なんて言葉は今のザハーロワに失礼ざます。技も心身もバランスがとれ、これからまさの絶頂期を迎えようとしているダンサーの輝きや静かな勢いを見た。 muccoのつぶやき - いつものようにウリヤーナ・ロパートキナ(今回はザハーロワも)、印象に残った演目のみの感想 7/26 Aプロ *指揮者セルゲイ・シェフチェンコの動きが大きい。つまらない演目のときは指揮者に目が行って仕方なかった。 *「カルメン」ロパートキナ/エルマコフ(マリインスキーバレエ) 幕が開き、赤い背景に浮かび上がるロパートキナのシルエットの美しいこと。 しかし、山猫のような女・カルメンを踊るにはロパートキナは清潔・高潔・エレガントすぎた。はっきり言って全然合わない。2年前にロンドン公演で観た「マルグリットとアルマン」マルグリットも似合わなかったが、カルメンはそれ以上だ。 情けない役が似合うエルマコフはホセにぴったりだったが、背中に駆け寄るカルメンは黒い服着た慈母マリア様のよう。 曲がアダージオになったとたん、「病める薔薇」の黒い衣装バージョンとして見た。 *「トリスタンとイゾルデ」スヴェトラーナ・ザハーロワ/ミハエル・ロブーヒン(ボリショイ・バレエ) 2012年のバレエフェスでメルクリエフと踊ったときもよかったが、さらなんかこう・・・ザハーロワの踊りに深みが増していた。ロブーヒンのサポートでより体のコントロールが効き、それが踊りの表現力に反映されているのだろうか? *「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」ジリアン・マーフィ/マチアス・エイマン(ABT/パリ・オペラ座バレエ) マチアスは細かい首の角度にまできっちりとして、踊りがとても美しい。そしていつもながら難しいことをなんでもないようにやってのけるところが好きだ。 マーフィーはテクニックもスピード感も申し分ないが、この演目を踊るには軽やかさが足りないように感じた。 しかし、バレエ界でも長身と腕脚の細長さで一、二を争うロパ様ザハ様が続いた後だと、実物はびっくりするくらい華奢であろうマーフィーでさえ普通に見えてしまうのが怖い。 *「グルックのメロディ」ロパートキナ/エルマコフ ロパートキナには薄衣がよく似合う。 透明で、柔らかで、風を受けしなやかに揺れるのは衣なのかロパートキナなのか。見ているほうは、ここが地上なのかどこなのかわからなくなる神秘体験。 なるほど、ギリシャ神話「オルフェオとエウリディーチェ」を題材にしたプログラムで、亡き妻エウリディーチェは黄泉の国にいる。短い演目だが、ロパートキナらしい異次元に生きるものの踊りを堪能できた。 踊ると美しいエルマコフはひたすら持ち上げ役に徹していた。ありがとう。 *「ロミオとジュリエット」第3幕より寝室のパ・ド・ドゥ アレッサンドラ・フェリ/エルマン・コルネホ さすがマクミランのミューズ、フェリ。踊っているとか演じているとかそういう感じすらなく・・・ ジュリエットを生きている。 その背景には何千回、何万回もの舞台があったのだろう。見ることができてよかった。 *「海賊」パ・ド・ドゥ ザハーロワ/ロブーヒン これはまいりました。素晴らしい! スワロフスキーがたくさんついたラヴェンダー色のチュチュを着てキラッキラに輝くザハーロワ。衣装以上に踊りも表情もキラッキラ。 クラシック演目を踊るザハーロワのキラキラを感じたのは、2009年のザハーロワガラとバレエフェスで観た「ドン・キホーテ」以来か?(2014年ボリショイ全幕の白鳥とバヤデールは体調が悪そうだった・・・) ロブーヒンもザハロワに負けじと技の披露を繰り返し、それも無理なく美しくピタッと決まり、場内大興奮! *エンディングは我がエルマコフ君のオロオロぶりが目に付く。ファーストソリストで一番若いせいもあるだろうが、今回参加したダンサーの中で一番長身で手足も長く優雅な体型なのに、本当にもったいない。だいぶ欲が出てきたが、それでも世界のプリンシパルに比べたらまだまだ。頑張れ! 7/27 Bプロ *「Fregments of one’s biography」ロパートキナ/エルマコフ ラテン音楽に合わせて踊るエルマコフがカッコいい。白いローングドレスの裾をつまんで登場したロパートキナのつま先から音楽がこぼれてくるようだ。この音楽性の高さ。 そして彼女の特徴の一つでもある美しいアームスの動きが、極力制限された踊りであるにもかかわらず観客の視線を集める。 どことなく夢のような浮遊感が漂うのは、男の回想だからだろうか。 これをみて、ロパートキナが次なるステージへ向かっているのだろうと感じた。 *「ジゼル」パ・ド・ドゥ ザハーロワ/ロブーヒン ザハーロワの白いバレエ、白鳥のオデットはものすごーくきれいだが、白鳥というよりは始終きれいな姫で感動したことはない(オディールは元気がよくて面白い!)。しかしこのジゼルにはとても心を動かされた。 前日Aプロで同プログラムを踊った大御所が省略してしまったデヴェロッペ/アラスゴンド/アラベスク/パンシェの高く滑らかで見事だったこと。私的なジゼルの見どころポイントの一つがここなのだが、ここがカクカクしてしまっては精霊感台無し。ザハロワはさすがだった。 そしてどこまでもふんわりと軽く、表情もまったくない精霊、しかしアルブレヒトを思う気持ちが踊り全体から伝わってきたのに驚く。 この感覚はかつてアニエス・ルテステュのジゼルで感じたものに近い。 ロブーヒンはアルブレヒトのバリエーションもきっちりとまとまり、最後の倒れこむ様子もやりすぎず好印象だ。そしてサポートがうまい。ザハーロワジゼルの浮遊感も安定のサポートがあればこそ。 あぁ、来年6月のボリショイ日本公演「ジゼル」が楽しみ。 *「リーズの結婚」パ・ド・ドゥ マーフィー/エイマン マチアスの踊りはいつ見ても無駄がなくて、洗練されていて、美しい。来てくれてありがとう! 男性ダンサーはほとんど興味ないが、パリオぺだったらマチアス目当てでチケットを取る。 *「プレリュード」 ロパートキナ/エルマコフ マイヤ・プリセツカヤのレパートリーをまったく個性の違うロパートキナが踊る。 ゆっくりと起き上がるロパートキナとたなびくドレスの裾に、だいぶ前にシャネルネクサスホールで見た「アリュール 内なる輝き~スザンヌ・フォン・マイスコレクション」のこの写真を思い出した。 ![]() (c)Mark Faurer / Collection Susanne von Meiss もちろん優雅で美しい・・・けれど踊りが短い&Aプロ「グルックのメロディ」と同路線では盲目的なファンの私でもさすがに飽きる。 ここは一発、「ファニー・パ・ド・ドゥ」で新しいバレエファンにロパートキナのお茶目な一面を披露してほしかった。えっ?エルマコフのレパートリーにない?自分をきれいにサポートしてくれる後輩を鍛え育てるのもロパートキナ様の務めではないだろうか? *「眠りの森の美女」パ・ド・ドゥ カッサンドラ・トレナリー/マルセロ・ゴメス(ABT) ラトマンスキー版眠りはちょこまかしたパが多く、あまりエレガントではない。衣装の色もディテールもアレだし・・・でもトレナリーとゴメスはよく体が動いていた。 話は全く変わるが、ABT女性ダンサーたちの顔や体型が90年代以降のディズニープリンセスに見えて仕方がない。断然ディズニークラシック派の私はきっと時代遅れなのだろう。 今回のオールスターガラでは、身体芸術の中でもとりわけ美貌・体型・身体能力などに厳格な様式美を要求されるバレエダンサーの引き際についていろいろと考えさせられた。 様々な理由で引くに引けない、一回引いたけれど再び戻ってきた、ただいま模索中etc. みな一時代を築いた伝説のダンサーで、絶頂期を知っているファンも多いだけに、ダンサー本人の気持ちとファンの希望にはズレが生じる。 私にできることは、ダンサーの判断を尊重し、時折落胆しつつも静かに見守るだけだ。もちろんそのダンサーの鑑賞をやめる、という選択肢もある。 いろいろと書いたが、マチアスの美しい踊り、ジュリエットを生きているフェリ、上り調子のザハーロワ、別の高みへ移動中であろうロパートキナを観ることができたのは良かった。 ![]()
by mucco
| 2016-07-31 20:00
| バレエ
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