『ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞』展

画像は展覧会HPより

渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の『ボストン美術館所蔵　俺たちの国芳　わたしの国貞』展を鑑賞した。
ボストン美術館所蔵14,000点の国芳・国貞作品の中から厳選された170点の浮世絵が「江戸のポップカルチャー」に合わせたテーマで展示され、中村七之助ナビゲートによる音声ガイドも臨場感たっぷり。
あっという間に2時間が過ぎていた。

muccoのつぶやき（ネタバレ注意！）
・幕末、すでにスカル模様の着物とは！A・マックイーンよりも150年早い。
・それぞれの作品には芳マーク貞マークがついていてわかりやすい。
・流れるような輪郭線、鮮やかな色、でもこれらはすべて版画だ。浮世絵師も凄いが、彫師も摺師もみんな凄い！
・これらの作品は近年まで一般公開されることがなかったため、極めて保存状態が良いのだそう。美術品を保存するのはお金も知識も手間暇も必要なのだ。ありがとう、ボストン美術館。
・役者絵には歌舞伎役者で。音声ガイドナビゲーター中村七之助の緩急つけた語りが浮世絵にぴったり。
・国芳作品の構図や色使いは今見ても大胆。
・着物の柄の細かさや、色柄の組み合わせが素晴らしい。これぞ、江戸の粋。
こういう色彩感覚や柄合わせへの意識は、今でも私たちの中に残されているのだろうか？

画像は展覧会HPより
・一番好きなのは国貞の「御誂三段ぼかし　浮世伊之助」以下省略　の一連。
歌舞伎役者6人の立ち姿と背景の色・花・家紋のコンビネーションがキッチュでポップ。役者のファンだったら間違いなく欲しくなる。

画像は展覧会HPより
・国貞 「藍摺遊女」藍と紅の対比が静かで情熱的で美しい。

・ぷぷっと笑える国芳「荷宝蔵壁のむだ書」
・影の主役は猫＆猫又

国芳・国貞が活躍した幕末と同時期の西洋美術工芸品は、また主に教会や王室・貴族など特権階級のためのものだったが、浮世絵は庶民が楽しむためのもの。
世界に先駆けたポップカルチャーを十分堪能できる展覧会だった。

『ボストン美術館所蔵　俺たちの国芳　わたしの国貞』展は6/5（日）まで。最終週は5/29（日）から開館時間を延長。
● 5月29日(日)～6月2日(木) 10:00～20:00(入館は19:30まで)
● 6月3日(金)、6月4日(土) 10:00～21:00(入館は20:30まで)＊通常開館
● 6月5日(日) 10:00～19:00(入館は18:30まで)＊通常開館

これらボストン美術館所蔵作品は一度貸出しされると5年間は公開されなくなるため、興味のある方は貴重なこの機会にぜひ足をお運びください。

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