3年たって

2013年4月13日に『ケチケチ贅沢主義』が発売されてから、早いもので3年たった。
アマゾンレビューや某巨大掲示板ではさんざんな言われようだが、プレジデント社の販売手腕と書店の協力、何よりも購入してくださった読者さんのおかげでよく売れ、びっくりするくらいたくさんの執筆依頼をいただいた。
今ではブログ発やＳＮＳ発の本がたくさんあるけれど、執筆を決めた４年前の2012年当時は片付け・インテリア系か料理本以外ほとんどなく、ましてやごく一般人の私にとって、本を出すのは自分の人生で最初で最後のことだろうと思った。
だから、『ケチケチ贅沢主義』には、買い物好きの私が夫と共に経済的自由を目指し、実行し、手に入れた32歳から43歳までの約10年間を書いた。
あれこれやってたどり着いたこと、ファッションを含めた自分のあり方をみつめること、その土台となるライフプラン=マネープランの大切さを。

本を書き終えた時点ですべて出しきり、いわゆる引き出しが空っぽの状態だったため、すぐ次の本を書くなど到底考えられず、執筆依頼もすべてお断りしてきた。
それでも、一読者として何か書いて欲しい、muccoの書いたものを読みたい、と何度もお声がけくださる編集者の方も多く、実は今年に入ってからも2件ほど書籍執筆の依頼をいただいた。
当分引き出しがいっぱいになる様子がないためお断りしているが、本当にありがたいことだと思っている。

ケチケチ本を本格的に書き始める前、自分が書いたものに買ってくれる人がいるのだろうか、ブログでも十分なのでは、と不安がる私に、プレジデント社書籍編集部の中嶋さんが言ってくれた言葉が今でも心に残っている。

「muccoさんの本を読んだ100人のうち、たった一人でも、この本を読んで自分の毎日が変わった、と言ってくれる読者さんがいればそれで十分。本にはそういう力があるのですよ。」

発売後、ケチケチ本の読者さんからうれしい報告がたくさん届いた。
将来に対してぼんやりとした不安があったけれど、ライフプランを考え、本当に大切なものやほしいものに気づき、これからの生活に前向きになれた。
今まで様々な情報に流されていたファッションも、今とこれからの軸=ライフプランをしっかりと持つことで流されなくなり、ライフスタイルやその場に合った装いを生活の一部として自由に楽しめるようになった、と。
中嶋さんがおっしゃっていたことは本当だった。
「本」の力、大きく言えば紙媒体の力だろう。
本が売れなくなったと言われているが、ケチケチ本を買い、ブログを訪れるようになった読者さんはとても多い。

最近、職場で一緒に働いている20代半ば〜30代はじめの女性たちから、装いを含めた日々の生活についてあれこれ質問や相談されることが多い。派遣の仕事とは全く関係のないことなので、ケチケチ本のことも、ブログのことも誰にも話していない。
親でもなく上司でも職場の先輩でもない知り合いの年上女性から、何かを得ようとしているのだろう。ちょうど彼女たちと同じ年頃の姪がいるので、おばさん気分で教えてあげられることは教えている。
私も20代の頃、遊び仲間だった人生の先輩たちからたくさんのことを教えてもらいながら年齢を重ねてきた。
今度は私が伝える番なのだ。
20代の姪っ子世代の背中を押してあげることができればうれしい。
誰でもアクセスできるブログやSNS全盛の時代だが、その数は膨大なだけに声を届けるには難しい部分もある。何かいい手はないだろうか？
そんなとき、まさに姪っ子世代雑誌から取材のお声がかかった。
そうだ！

これからはもっと雑誌などの力も借りながら、お金の使い方にメリハリをつけたケチと贅沢両立生活や、ライフプランの大切さを伝えていこう。

ということで、某お嬢さん雑誌が発売されましたらまたお知らせします。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

トップ画像は『ケチケチ贅沢主義』の帯3種類。
左：2013年4月発売時
中：2013年秋
右：2014年6月ごろ