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2016年 05月 03日
![]() 2016年4月21日、プリンスが亡くなった。 22日は喪失感でいっぱいになり、美術館へ行く予定をやめてさっさと家に戻り、The Hits & The B-Sides マイケル・ジャクソンとプリンスが80年代の私のアイドルで、どちらが好きかと聞かれれば「マイケル」と答えるのだが、マイケルが亡くなった時よりもずーっとずーっとやるせない気持ちでいっぱいになっていて、自分でも驚いている。 鬱陶しい昔話になってしまうけれど書かずにはいられないので、興味のある方だけどうぞお付き合いください。 ![]() それがプリンスとの出会いだ。 兄たちの影響で、ボズ・スキャッグスやビリー・ジョエルのAORから始まり、渡辺貞夫やグローバー・ワシントンJr.、シャカタクなどのフュージョン、当時ブラックコンテンポラリーと呼ばれていた黒人音楽などの、都会的で軽やかな大人っぽい世界観に憧れ、特にマイケル・ジャクソンやジョージ・ベンソンなどクインシー・ジョーンズのプロデュース作品が大好きでいつも聴いていた。 心地よいサウンドに慣れた耳に、いきなり雑音めいた悪趣味すれすれのプリンスの音楽はショッキングでビリビリしびれた。その衝撃で優等生muccoの影に隠れていた変人muccoが目覚めたのだ。 FUNK万歳! それまでは、たいてい兄が話題のアルバムを買っていたのでちゃっかりそれを聞けばよかった。しかしミーハーな兄でさえプリンスには全く興味がなく、なけなしのお小遣いをはたいてアルバム「パープルレイン」を買った。 おそらく自分で初めて買ったLP版、紫の変なバイクにまたがり紫の変な服を着たプリンス、その両側は花柄、のド派手なジャケットから出てきたLPに一瞬言葉を失った。 むらさき あの強烈さは今でも忘れない。LPを紫色にしちゃうなんてプリンスって変で凄~い。 小奇麗なサウンドを楽しむ大人にしてみれば、プリンスの音楽も存在もゲテモノ扱いだった。そのゲテモノ音楽を聴いて喜ぶ小さな妹を、兄たちはかなり心配していたようだ。 秋にはプリンスファミリーの天才パーカッショニスト、シーラ・E"グラマラスライフ”がヒットし、冬にはチャカ・カーンがカバーした”Feel For You”が大流行、全米で一番売れたシングルはWhen Doves Cry。クラスメイトの知名度からすると”Foot Loose”が一番かと思っていたのでびっくりした。 1984年はまさにプリンスイヤーだった。そして我が家でも、ようやくゲテモノ音楽がしぶしぶ認められた。 ところでマイケルとプリンス、お互い1958年生まれの才能溢れるアフロアメリカンゆえライバル扱いされていたが、音楽性と才能の違いは田舎の中学生にもわかるくらい違っていた。 マイケルは細長い手足を持つ10頭身(MVスリラーの顔はめちゃ美人!)のスーパースターで世界一のダンサー、みんなが喜ぶような新しいことに挑む人。 プリンスはすべて自分でこなすアーティスト、タブーに挑戦して常識を塗り替える人。 月を歩くように踊る大天使ミカエルと淫靡な紫の王子様、それぞれの魅力に惹かれた。 その後も、”Kiss”を聞いては歌い、”Batdance"を聞いては踊り、二十代になり恋に疲れていたとき、J-Waveから聞こえてきた初期の名曲"Do Me Baby"に涙し・・・ 上品な人が眉をひそめるような卑猥なタイトルと歌詞が多いが、プリンスの才能を前にしたらそんなことは大した問題ではない、と思っていた。 ***余談*** いろんな人と付き合っているうち、自分の中で音楽の好みはどうしても譲れないものだと気がついた。結婚するならプリンスの才能を理解している人(もちろんジャズ好き)がいい、と。 そんなときに出会ったうんと年上の男性はジャズに詳しくファンク大好き、プリンスのCDどころか、RPG(タイトル失念)も持っていた。もちろんその人と結婚した。 プリンスRPGは、紫の館に入り、赤い車にマウスを合わせると”Little Red Colvet”が流れ、先に進んだドアのパール飾りを押すと”Diamonds and Pearls"が聞こえる、そんな感じのプリンス作品総出のゲームだった。 ********** ある年、グラミー賞かアメリカンミュージックアワードでパフォーマンスを終えたプリンスが、エンディングにチュッパチャプスを舐めながら登場し、スティーヴィー・ワンダーやクリスティーナ・アギレラにちょっかいを出し、しまいには舐めていたチュッパチャプスを口から出して、隣にいたクインシー・ジョーンズに「はい、あげる♪」と渡す様子を見た。みな苦笑しながらも、プリンスの相手をしていた。 エキセントリックさこそがプリンスの魅力だが、周りのアーティストへの敬意を欠くような奇行は、エキセントリックを通り越して無礼だと思い、プリンスの新譜を聴かなくなってしまった。 亡くなる前日のニュースでプリンスの体調不良と「ピアノ&マイクロフォン」ツアーのことを知った。容態は回復したようだし、もし日本で「ピアノ&マイクロフォン」ツアーがあるならば、今度こそは絶対行きたい。ライブの醍醐味を味わいたい。 そう思った矢先の死。 ちょっとした奇行を気にして心が離れてしまった私などファンを語るにふさわしくないことは十分に承知している。 いつもそうだが、失ってその大きさに気付く。なんて愚かなのだろう。 死因などはっきり言ってどうでもいい。 プリンスはもういない。 目の前で歌う姿を見ることはできない。 だけど、プリンスの音楽は私の中に永遠に生き続ける。 プリンス、ありがとう。 ![]()
by mucco
| 2016-05-03 08:00
| 音楽
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