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2015年 10月 10日
![]() 『ボリショイ・バビロン』 2013年、ボリショイ・バレエ団の元スターダンサーにして芸術監督のセルゲイ・フィーリンが何者かに顔面に硫酸を浴びせられるという衝撃の事件で、ソリストのパーヴェル・ドミトリチェンコが逮捕される。二人はキャスティングを巡って対立していた。 やがて事件の背景に隠された、熾烈な勢力争い、嫉妬、横領、賄賂などのスキャンダルが暴かれていく。ロシア政府は新しい総裁としてウラジーミル・ウーリンを送りこみ、そこへ片目を失明したフィーリンが復活する。だが、この二人もかつて反目し合った仲だった。カメラは彼らがぶつかる決定的瞬間を逃さない。果たして、バレエ団はどこへ向かうのか──? (公式サイトより) <<ネタバレかも?>> 作品全体に流れる不穏な状況は織り込み済みといえ、やはりなんともいえぬ戸惑いやモヤモヤが残る。 バヤデール影の王国シーンなど、収められているバレエシーンやレッスンシーンはさすがにどれも美しく興味深いものばかりだが、公式サイトでわざわざ演目紹介をしているわりには少ない、というのが正直な印象だ。大好きなマーシャだが、オデットは似合わんな・・・ バレエを、舞台芸術を愛する人々のさまざまな思いがぶつかりあい、さらにはクレムリンとの近さもあり、腐敗がはびこっているのだろうか。 どうみても誰も幸せではないように思えるなかで唯一の救いは、大怪我後の初舞台で無事に復帰したマリーヤ・アレクサンドロワ(マーシャ)が興奮気味に発する「New Life!New Life!」という言葉と安堵の笑顔だった。 まったく個人的な話だが、フィーリン襲撃の約1年前、2012年2月のボリショイ来日公演で観た『スパルタカス』タイトルロールのスパルタカスを踊ったのは、後に犯人となるドミトリチェンコであった。エギーナはマーシャ。 幕が上がる直前に、1階席の階段を一段はずしで駆け上がって席に着き、幕が下りるとすぐさま楽屋へ向かうフィーリンの姿をみて、芸監がんばっているんだなとジーンとしていた。(ダンチェンコ芸監の時もそうだったけれど) 『スパルタカス』もダンサーたちの意気込みが伝わる素晴らしいパフォーマンスで、ボリショイの底力を見せ付けられた。ドミトリチェンコは(ボリショイダンサーとしては)華やかさには欠けるものの、人望の厚い信頼されているスパルタカスといった風情で、とても思い出深い作品だった。 だからこそこの事件の顛末を知った当時は無力感に襲われ、ブログで取り上げるに気分にならなかった。 『ボリショイ・バビロン』中のドミトリチェンコは、まるで何かに憑かれているような薄気味悪い表情ばかり映し出されていたのがなんとも残念だ。 この映画の撮影後、2014年11月から12月にかけてボリショイ来日公演があった。 私の鑑賞した『白鳥の湖』『ラ・バヤデール(映画中と同じキャスト!)』『ドン・キホーテ』どの演目も素晴らしく、「観てよかった、バレエを好きでよかった。」と幸せな気分になった。12月6日の『ドン・キホーテ』マチネでは劇場内を歩くフィーリンの姿も見られた。 裏側の現実がどうであれ、我々観客にとっては舞台でのパフォーマンスがすべてだ。 ボリショイバレエは「世にも美しいダンサーたちによる素晴らしいバレエを見たい」と願う観客のために、そして自分たちの信じる芸術のために、確実に前進していた。
by mucco
| 2015-10-10 20:00
| 映画
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