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2010年 05月 26日
陶芸家ルーシー・リーの本格的回顧展ルーシー・リー展が六本木の国立新美術館にて開催されています。 初期のウィーン工房タイプは色鮮やかで曲線を多用した見て楽しむための作品が多かったのですが、ハンス・コパーとの共作の多い大戦後から60年代には、見ているこちらが 「これに何入れる?」 「ほうれんそうと卵のココット!」 といちいち言い出すほど(そんなの私たちだけ?)料理と食卓の様子が浮かぶ、それでいて繊細で洗練されたフォルムの作品ばかりでとても楽しかったです。 ルーシー・リーはちゃんと家で料理してちゃんと食べる人だったのでしょうね。 芸術家と生活人としてのバランスが絶妙で感動しました。 そして名声を得た円熟期は、色や形の制限がすくない花器や鉢などでより独自の世界を表現しています。 いくつになっても釉薬の実験をし、シンプルで美しいフォルムの追求し、常に挑戦していた様子が伺え、ちょっと大げさですが生きる勇気をもらったような気がしました。 そしてコーナー展示もお見逃しなく。 第二次世界大戦中から戦後にかけて、制作・販売されたガラスと陶器によるボタンは必見です。 あぁ、子供のころ、洋裁の仕事をしていた母のボタンストックの箱を見たときのようなドキドキワクワクを久しぶりに体験しました。 それにしても、雑貨店においてあるようなモダン和食器はルーシー・リーの影響をバリバリ受けてますね。 だいぶ前にマドゥでヘム部分に掻き落としのある粉引を買った記憶が。 こちらは所詮大量生産の雑貨のため、いつのまにか飽きて捨ててしまいましたけれど。 東京新美術館でのルーシー・リー展は6/21(月)まで。 その後の巡回スケジュールはこちら。 大都市ばかりではなく、益子や萩など焼物の里を訪れるのが粋ですね。
by mucco
| 2010-05-26 22:40
| 観劇・美術館
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